黄金比率は1:4

コラム2019.09.26

 朝夕に秋の気配がしっかりと感じられるようになってきましたね。秋といえば食欲の秋。 そこで今回は、料理に欠かせない食材の油についてお話いたします。。

  油というと、健康やダイエットの大敵というイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか。油は摂りすぎるとカロリーオーバーになりやすく、「出来るだけ摂らない方がいい」と思われがちですが、人間が生きていく上で欠かせない栄養素の一つです。しかし、現代人は摂取する油のバランスが悪く、本当に必要な油が足りていないと言われています。

 それでは、本当に必要な油とは何なのでしょうか?油は、油を構成する脂肪酸によっていくつかの種類に分類することができます。動物性の油に多く含まれているのが「飽和脂肪酸」、植物性の油に多く含まれているのが「不飽和脂肪酸」です。さらに「不飽和脂肪酸」は「オメガ3」、「オメガ6」、「オメガ9」と細かく分類されます。現代人に不足している油は、この中の「オメガ3」と呼ばれる種類の油です。このオメガ3は青魚に多く含まれていますが、現代人は魚を食べる機会が減っている為、オメガ3の摂取量が減っているのです。代わりに摂取量が増えているのが「オメガ6」。オメガ6は、ベニバナ油、ごま油、その他多くの加工食品(スナック・カップ麺・マヨネーズなど)に含まれており、外食や加工食品が身近な現代人は、オメガ6の過剰摂取状態であると言えるのです。オメガ3とオメガ6のバランスは、1:4が適切であるとされますが、現状は1:10になっていると言われるほどです。

 このように、油のバランスが崩れている現代人には、様々な弊害が出ています。その一つとして考えられるのが脳への影響です。脳は、約60%が油で構成されているため、油のバランスが崩れることは、即ち、脳へ悪影響を意味すると言っても過言ではありません。うつ病、アルツハイマー、不眠症、アレルギー症状、自律神経の不調など、昨今増加が懸念されているこれらの症状には、油の摂取バランスが関係しているとの研究も進められているほどです。実際に、アレルギー患者を対象にした臨床実験では、油の摂取バランスを整えたことで、症状が改善した実例も報告されています。

 そこで、油のバランスが崩れがちである現代人は、オメガ3を積極的に摂取することが急務であると言えます。オメガ3は、青魚に多く含まれていますが、毎日青魚を食べることは困難です。そこで近年注目集めているのが亜麻仁油です。亜麻仁油は他のいかなる植物油よりも多くオメガ3を含んでいます。ただ、酸化しやすく、熱にも弱いため、扱い方には注意せねばなりません。加熱すると栄養素が壊れるため、サラダのドレッシング代わりとして食事に取り入れるのが一般的ですが、そのまま飲む方法や、サプリメントでも摂取できます。健やかな生活の秘訣が、油にあるということを意外に思われた方も多いのではないでしょうか。これまで、油はなるべく控えるべきものと思われていたのであれば、是非一度、油の摂取バランスを意識されてみてはいかがでしょうか。