化粧品の皮膚からの吸収について

コラム2018.10.25

 化粧品の適用部位として最も多いのは顔面の皮膚ですが、この部位の物質の浸透・吸収性は他の部位(例えば胸や背中)よりも高くなっています。一般に化粧品は医薬品と異なり高い吸収性は不要で、角層から真皮、毛包までの浸透・吸収性がその有効面と安全性の面を考慮したとき適切です。それでは以下に一般的な化粧品原料と経皮・浸透・吸収の特徴を標的とする部位別に示していきます。

 まずは皮膚表面についてですが、香料やフレグランスは体温による揮発を期待しており、経皮吸収される必要はありません。ところがこれらの揮発物質の経皮吸収制は一般に高く、そのため粘膜や顔面肌、さらには傷のある部位など、敏感な吸収されやすい部位には使用しないほうがいいです。 

 サンスクリーン剤も皮膚上で効果を発揮すればよいものであり、また紫外線防御剤も基本的には皮膚上に留まることで効果を発揮する成分です。しかしサンスクリーン剤に配合されているサリチル酸誘導体や安息香酸誘導体は、それ自体経皮吸収されやすい化合物なので、これらを用いるときはむしろ経皮吸収が抑制できる基剤を選択しなければなりません。

 一方酸化チタンや酸化亜鉛を含むナノスファイアを含有したサンスクリーン剤では、これらの成分は経皮吸収がほとんど見られないので、サンスクリーン剤に適した素材といえます。

 次回は角層への経皮吸収についてお話いたします。