ないよりあったほうが!

コラム2018.07.19

皆様は普段どれほどのストレスをお持ちでしょうか。ストレスを溜めると、頭痛やイライラ、めまいをはじめ様々な身体的症状が現れます。慢性的なストレスにより、中には自殺という結果を招く場合もあり、現代社会において深刻な問題となってきています。

 ストレスと聞くとすぐに苦しみや悲しみといったマイナスのイメージを連想してしまいますが、ストレスには「不快ストレス」以外に「快ストレス」というものが存在します。「快ストレス」は身体にとって受け入れられる、健康にとっても有益なストレスです。実は仕事の場面においても、適度なストレスは仕事への満足感や充実感につながっており、全くストレスのない仕事に従事している人はかえって不満を感じているというのです。

 イギリスの障害者保険会社が、成人千三百人を対象に行った調査によると、仕事に最も前向きな姿勢を示している人の41%は、自分の仕事に対してそれなりのストレスを感じている一方、自分の仕事に満足していない人の23%は、仕事でストレスを感じることは全くなく、一日が平穏に過ぎてつまらないと答えました。更に同調査では、仕事に満足している人はストレスの有無に関わらず、病気欠勤率が低いことも明らかになり、過去一年簡に会社を休まなかったという人は半数以上あるのに対し、仕事に不満を抱いている人の一人当たりの年間欠席日数は6.2日で、全国平均の5.2日より多いことが分かりました。調査元では、仕事への満足感は給与や諸手当などよりも仕事へのプレッシャーという意外な部分に影響を受けていると指摘しています。職場での充実感は、金銭的な報酬よりも職場環境、同僚との人間関係や仕事自体の性質などに依るところが大きいとし、これは適度なストレスが仕事への動機付けになるためと分析しました。ストレスが全くない状態では刺激に対する反応が全くない「死んだ状態」とも捉えることが出来、仕事においては過労と同様にマイナスです。仕事が退屈であるという感情が道徳心や自尊心の低下にもつながるとしています。

 ストレスという概念を提唱したハンス・セリエ博士は「ストレスは人生のスパイスである」と言っています。因みに疲れた男性を癒してくれるのは適度なストレスを与えてくれるキャリアウーマン型の女性だという話もあります。胡椒や唐辛子を適度にかけて食材の美味しさを引き立たせる様に、私たちも適度なストレスを感じつつ日々の生活を送りたいものです。