便利さの代償

コラム2018.02.23

「最近よく手がしびれるなあ・・・。」そう感じることがないでしょうか?よくあることと見過ごしがちですが、実はその症状は「ケータイひじ」と 呼ばれる現代病の初期症状かもしれません。この症状について、アメリカでも有 数の医療機関の一つ、オハイ オ州・クリーブランド・クリ ニックのチームが、注意を呼 び掛ける論文を発表して世界 から注目されているそうです。  

「ケータイひじ」は、携帯 電話を長時間使用しているこ とにより、手や腕のしびれや 傷みを訴える症状を指し、肘 を90度以上の角度に曲げたまま長時間過ごすことで血流が 低下し、神経の炎症や圧迫が起こっている症状です。 それでも「通話中、腕がしびれるなんて、よくあることじゃない」などと甘く見ていると、とんでもないことになりかねません。

この先、慢性的又は周期的な肘や指の痛み、更には手の力や制御機能の低下へと発展します。そしてさらに症状が進むと指が曲がらなくなってしまい、手術により肘の内側に走っている尺骨神経の位置をずらす処置が必要になるケースもあるそうです。こうした症状を避けるためには、携帯を左手と右手で持ち変えたり、ハンズフリーの装置を使ったりする必要があります。

便利になった世の中ですが、その便利さと引き換えに自分自身が払う代償も大きくなっていることを忘れてはなりません。そんな現代病の中でも、日々の生活習慣が原因で発症したり進行したりする生活習慣病はすべて「自己責任で罹る病」です。自分自身が気を付けるのはもちろんですが、商談の多いビジネスマンや長電話が日常茶飯事になっている人が周囲にいれば、一言声をかけてみてはいかがでしょうか。意外と本人は気づいていないかもしれません。