干支について

コラム2018.03.06

 今年の干支は戌ですが、今回は干支についてのお話をさせていただきます。干支は、今から約3000年前に、中国の殷王朝の時代に、王充(おういつ)という人が作ったとされています。

 干支は厳密には十干と十二支から成り立っています。私たちに馴染み深いのは十二支のほうですが、これは元来十二年で天を一周する木星の軌道の位置を示すための数詞でした。やがてこれが、月や時間さらには方向を表す数詞として用いられるようになりました。

 王充は元来「子・丑・寅・・・・」という抽象的な数詞を、民衆に広く浸透させるため、覚えやすく馴染み易い動物に替えて文献を書き残しました。つまり私達が使っている干支は、後に便宜上当てはめられたものだったのです。

 次に、十干ですが、殷代では日(太陽の巡り)を数えるための数詞として使われていました。一ヶ月を上旬、中旬、下旬と十日ずつに分けた、その十日を単位としたものが十干で、「甲・乙・丙・丁・戊・己・・・」となっています。この十干と十二支を組み合わせたものを一般に干支と呼び60種類の干支が存在します。

 そこで、今年の戌年は、十干十二支で言うと丙戌(ひのえいぬ)です。「戌」の字には「茂る」「陽気」「裁つ」などの意味があり「豊かさとともに簡素の美を求める意味」もあるそうです。バブルが崩壊し、予想だにしなかったデフレ社会が到来し、その苦難を経て、ようやく復興の明かりが見えようかというこの年にふさわしい言葉だと思います。そして、丙戌(ひのえいぬ)の年は、歴史的に見ても大きな変化の始まりの年だといわています。たとえば、710年 平城京に遷都・794年 平安京に 遷都・962年 神聖ローマ帝国成立・1922年ソビエト連邦成立・1946年 日本国憲法公布・ 1994年 社会党 村山首相誕生などがあります。

 相場格言に「未辛抱、申酉騒ぐ。戌は笑い、亥固まる」というのがあります。昨年の酉年、株式市場も商品市場も注目され、相場が大きく騒ぐ年になりました。

 今年、相場に注目すると、にっこり笑うとしになるかもしれません。さて、今年はどんな年になるのでしょうか。