加齢による脱毛に光明

コラム2018.02.13

東京医科歯科大学の難治疾患研究所・幹細胞医学分野の西村栄美教授等は、加齢に伴う薄毛や脱毛の仕組みを解明しました。

その内容は、毛髪を作り出す毛包幹細胞が老化して維持できなくなりフケ・垢とともに皮膚表面から脱落していくことによるものであることを突き止めたというもので、その研究成果は国際科学誌サイエンスの2016年2月5日号に発表されました。

 具体的には、下記の図に示されているように、歳をとることで毛包幹細胞のDNAのダメージが蓄積されてくると、幹細胞を保護し維持するために必要なたんぱく質である17型コラーゲンを幹細胞自らが分解することをマウス実験で見い出し、ヒトの頭皮の毛包においても同様の現象を確認しました。さらにマウスの幹細胞において17型コラーゲンの枯渇を抑制することで、一連のダイナミックな加齢変化を抑制できることが分かりました。以上のことから毛髪だけではなく様々な加齢関連疾患の予防や治療へと役立つことが示唆されました。

 以上のことから、17型コラーゲンを維持することが出来れば、老化による薄毛や脱毛、更には白髪をも防ぐことが可能となります。そのような働きをする物質を見い出すことが、今後の育毛最前線の研究開発となっていきます。